Italia Trip

Mr.Kのイタリア旅日記 vol.12

2022.02.08
 

昔からフードライナーはピエモンテのワインの取り扱いが多かった。
過去に取り扱ってきたワイナリーを挙げればキリがないほど多い。
ANGELO GAJAに始まり、錚々たる名前が挙がる。35年前イタリアワインの品質が一気に上がり始めた頃、毎年のように新しいスターが生まれた。
その当時、私達のようにイタリアワインだけを専門に取り扱う輸入業者も少なく、悪い言い方をすれば手当たり次第、取り引きが可能であったからだ。
もちろんそのころからすでに名門として君臨していたワイナリーもあった。
ざっと名前を挙げれば、CONTERNO GIACOMO、BRUNO GIACOSA、RENATO RATTI、DOMENICO CLERICO、LUCIANO SANDRONE、BRAIDA、BARALE FRATELLI、PRODUTTORI DEL BARBARESCO、MARCHESI DI GRESY、BERTELLI、CASTELLO DI TASSAROLO、MICHELE CHIARLO、COPPO、DELTETTO CARLO、NERVI、ORSOLANI、SCAVINO、LUIGI PIRA、MAURO SEBASTE、RIVETTI、BOROLI、OSVALDO VIBERTI、MARCARINI、SAN FEREOLO、CASCINA LA BARBATELLAなどなど。

もちろん数年で取引を中止してしまったワイナリーも多く含まれているが、本当に多くのすばらしいワインを取り扱うことができた。心から感謝している。
その後ほとんどのワイナリーが入れ替わり、現在のラインナップに落ち着いている。しかしまあよくもこれだけのワインと接してきたなぁと思うばかりだ。

そして同時に彼らに色々な事を教わった。バローロについて、バルバレスコについて、バルベラについて、ドルチェットについて、モスカートについて、ガヴィについて、アルネイズについて。私にとってもとても貴重な経験だった。畑について、ブドウについて、ワインについて、それぞれの生産者の考え方や方法があり、時代と共に機械が進化し、気候も変化する。求められる味わいも変わると主流も変わる。

時代、時代を意識しながら、注目されるワインを作らなければならない。
なんと言っても彼らも商売なので、売れなければ話しにならない。
まずは美味しいと言う事が一番のゴールなのだ。その上でそれぞれの生産者の考え方の意味がある。オーガニック栽培だろうが、今、流行りの自然派ワイン(私はこのネーミングの意味がわからない)だろうが、最終的に美味しくなければ飲む意味を持たないと私は思っている。特に上質なワインの生産者たちはそう考えている。
美味しいワインを作る過程でオーガニックやビオデナミといった栽培、醸造方法があるのであって、オーガニックや自然な作り方がゴールであるわけはない。
もちろん大昔のワイン作りを現代風にアレンジしながら素晴らしいワインを作っている生産者もある。しかし、そのような作りをしているワインは感心しない。そういった生産者のゴールは違う所にあるのだぁーと思ってしまう。

30年前頃には乱暴な作りで荒っぽい味わいのワインも多かった。輸送もひどかった。しかし現在、流通しているワインは少なくともある程度はしっかりと管理されているし、ムダな薬品も使っていない。だいたいは美味しい。本当に標準のレベルが上がったと思っている。
だから飲む側が、極端に作り方にまで入り込まずに単純に美味しいワインを見つければ良いのではないかと思っている。

次からは、私達が現在、取り引きをしているワイナリーについて書いていこうと思いますのでお楽しみに。